財政再建派の学者もどうやったら日本が財政破綻するのかわからない

国が財政破綻する、というのは次の2つの状態になることを言っている。(と思われる)

  • 国債が返済できなくなる
  • ハイパーインフレになる

日本は日本円で国債を出しており、たとえ誰も国債を買わなかったとしても最後には日銀(資産無限大)が買い取ることが可能なため、国債が返済できなくなることはありえない。そして、ハイパーインフレになる可能性も0に等しい。(過去にそうなった国は存在しない)

つまり、財政破綻は日本ではありえない。

しかし、財政破綻すると言っている学者もいるらしい。そして彼らは大いなる自己矛盾を抱えている。この財政再建派の学者と、積極財政派の対談(文藝春秋)でその矛盾が露わになっているらしい。その対談の抜粋が以下。

積極財政派 中野 剛志 氏

財政再建派 小林 慶一郎 氏

中野氏
中野氏

(ドイツの場合の話の続きから…)

財政出動しすぎて通貨への信認が失われたケースではないですね

小林氏
小林氏

ドイツの債務返済が問題になったわけで政府債務は通貨の信認喪失に絡んでいました

日本の対GDP比債務残高はすでに未曾有の領域にありますが、これが何%になると国家が破綻するのか理論的な限界は実は分かっていない

中野氏
中野氏

わからないのも当然でそんな限界はないからです

財政再建派の学者(小林氏)は日本が財政破綻するという立場だが、いつそうなるかはわからないらしい。

理論は現実の事象を説明して初めてその意味を成す。現象を説明できない理論は理論ではなく、ただの空論である。どうなるかわからない等という理論は存在意義を成しておらず、その理論を構築しているベースモデルが間違っているとみるべきだろう。(科学なら普通そう)

また、上のやり取りと矛盾するのが以下のやり取り。

小林氏
小林氏

「日本は自国通貨建てなのでデフォルトは起きない」というのは

国債を発行すれば最後は日銀が買うことが可能ですから確かにその通りです

小林氏は、デフォルトは起きない、つまり日本の国債が返済不能になることはあり得ないと言っている。しかしその後に、

中野氏
中野氏

「財政赤字が制御不能なインフレを起こす可能性はある」というのが小林先生の立場ということになりますね

そもそもなぜ財政赤字が増えてはいけないのでしょうか?

小林氏
小林氏

通貨ヘの信認が失われるからです

借金をしすぎて返せないレベルに達してしまえば国民の側が『返してもらえないんじゃ日本国債はやめてアメリカ国債にした方が確実だ』と逃げてしまいますよね

小林氏、先ほど自分で国債が返済不能になることはあり得ない旨のことを言っていたが、今回は「返してもらえないなら…」とその真逆のことを言っている。財政破綻するという立場を貫く必要があるが、実際はしない(最初に自分で言っている)ので、自分の発言の中に矛盾が生じてしまっている。

そしてさらに、

小林氏
小林氏

最後は国債をすべて日銀が買うしかなくなりますが

そうなると円がどんどん市場に溢れて制御できないインフレになる恐れがある

中野氏
中野氏

では、過去にそんな風に財政出動をしすぎて通貨が信認を失い制御ができないほどのインフレになった具体例はありますか?

小林氏
小林氏

たしかに変動相場制かつ自国通貨建ての債務でハイパーインフレになった例はあまりありませんね

中野氏
中野氏

『あまり』じゃなくて『ない』んです。

ということである。

自分の発言の中にさえ矛盾が生じてしまっているのは小林氏の方であり、それを正そうとしているのが中野氏という構図である。こういう場合、どちらが事実を言っているか、もしくは事実は他のところにあるのか、国民一人一人が自分で調べて考えることが大切だろう。


参考動画は以下の通り。