緊縮財政の下では水道管がボロボロになる

日本全国の水道が危機に陥っている。耐用年数を超える水道管が13万キロあるが、緊縮財政のため更新ができずにいる。実際、2021年10月には和歌山で水道橋が突然崩落して和歌山市の人が断水に悩まされるという事故が起きている。

水道管の法定耐用年数は40年。水道は高度経済成長期の1960年から70年代に急速に普及したため、その多くが更新時期を迎えている。現に、2018年度の総延長約72万キロのうち17.6%にあたる約13万キロが耐用年数を超えている。一方で、どのくらいの水道が更新されているかというと、2001年度は水道の年間の更新率は1.54%だったが2018年度は0.68%に低下している。水道事業は独立採算制で行われている(そうさせられているとも言える)ため、地方では人口減少などで水の使用量が少なくなると収入が減り、更新費用が捻出できなくなることが原因。

このようなインフラは、国のお金(いわゆる政府支出)で賄うことが望まれる。国のインフラに独立採算制を求めるのはナンセンスである。なぜなら、人口によらず地方にも水道や鉄道、道路などは国として整備されているべきだし、使う人が少ないから水道引きません、鉄道も廃線にします、道路もはがします、ということではいけないことは明白だろう。国のインフラは採算関係なく整備されるべきものである。因みに、当たり前だがこのことと無駄使いとはまた別の話である。

このようなインフラ整備のメンテナンスにしっかりとお金を使う(政府支出として)ことで、地方に雇用が生まれる。これはまさしく地方創成となる。しかし、今の政府は(何故か)緊縮財政をしているため、このようなインフラ設備のメンテナンスにお金を使うことができず、地方は惨憺たる状態となっているわけである。


参考動画と要点のメモは以下の通り。

(メモ)緊縮財政のために水道管もボロボロ
  • 2021年の10月に和歌山で水道橋が突然崩落して和歌山市の人が長い間断水に悩まされた。
  • これはこの一つの水道橋だけの話ではない。
  • 日本全国のありとあらゆるところの水道管が耐用年数がきているけれどもお金がないので新しくできないという状況が起きている。
  • 耐用年数を超えた水道管は全国に13万キロある。
  • 蛇口をひねれば水が出るのが当たり前と思っているが、この当たり前が当たり前ではなくなる時がもう目前に来ている。
  • 水道管の耐用年数がきて更新しなきゃいけないということはもうずっと前から言われていたが、ほとんど実は手付かず。
  • 厚生労働省によると水道管の事故は19年度全国で約2万件報告された。
  • 水道管の法定耐用年数は40年。
  • 水道は高度経済成長期の1960年から70年代に急速に普及し多くが更新時期を迎えている。
  • 2018年度の総延長約72万キロのうち17.6%にあたる約13万キロが耐用年数を超えている。
  • 一方で、2001年度は1.54%だった水道の年間の更新率は2018年度は0.68%に低下した。
  • 人口減少や節水の影響で使用水量が減り、料金収入による独立採算制である水道事業の経営が苦しくなったことが要因の一つ。水を使う量が減ると水道料金の料金収入が減るのでそれで更新に充てるお金を捻出することができずに更新が進まないという状況になっている。
  • 日本はどんなに過疎地でも基本的には水道が引かれている。
  • これまでは人口がそれなりにあったんで独立採算が採れたけれどもでもそれも結局はだましだましやってたというのが実情。
  • 独立採算でやれって言われてるから耐用年数がきてる水道管の更新をしようとしてもそれをやると赤字になってしまうのでやれない。
  • しかし、そもそも財源がないってことはない。財源は国が金を出せはいいので耐用年数が来たものを確実に更新していくということは可能。しかもここに予算をつければ水道管を更新するという立派な仕事ができる。国民にきちんとした仕事ときちんとした給料を払うことができる。
  • なので、水道料金を上げるんじゃなくて国がお金を出して更新すればいい話。
  • ありとあらゆるところで問題が起きているから、日本全国いろんなところに新しい仕事が出来て安定的に雇用が守られるということなる。
  • こういったものにしっかりと予算を付けていけばデフレ不況から脱却するということもできるし安定した仕事が地方に生まれる。
  • 一番やってはいけないのはこれを民営化をするということ。
  • 例えば大阪市は水道管の総延長約5200キロのうち、法定耐用年数を超えた割合が21年3月末で51%に達している。
  • 2020年度の水道事業収益は559億円でピークから約4割減った。関わる職員数もピーク時の75年度の半分以下。
  • 大阪市は2018年から2027年度に1千キロの水道管を交換する計画だが、更新できる水道管は年間60から70キロが限界と言う。
  • 水道の収入が減ってるんでそれに伴って職員は半分以下にしたということ。
  • だからといって、PFI(民間資金を利用した施設整備)のような民間方式を入れるっていうのは基本的にはデフレ圧力になる。官でやろうとしてできなかったものを民間がやれるというのもおかしい。
  • 大阪みたいに、日本全国いろんなところで自治体が悩んで苦労してる。
  • これを解決するためには、国がお金を出せば何の問題もなく解決する話。しかし、プライマリーバランス黒字化を目指している限りはできない。
  • 水道だけではなく、橋やトンネルもボロボロになっている。これらのメンテナンスをちゃんとやるだけで安心安全な国になり地方創成にもなる。