- そもそも経済は「企業」か「政府」のいずれかが「借金」を拡大して支出をしなければ成長しない。
- 政府の赤字は国民の黒字であるため、政府のプライマリーバランス黒字化目標は国民の赤字化目標になってしまっている。
国民全員の給料が上がると景気が良くなったと実感できるわけだが、そのためには国内にあるお金の総額を増やさないといけない(これはほとんど自明)。お金の総額が変わらない状況では、国民同士でお金の奪い合いをやっているだけになる。そして、お金は誰かが借金をした時に新しく生まれてくる(政府の国債発行がまさに貨幣発行であるように)わけなので、日本全体を見てお金を借りている人の方がちょっと多い状態を作ることが必要となる(もちろん政府が)。こうすることで、お金の総額が(ちょっとずつ)増える状況を作り出すことができる。
日本がこの状況を作れていないのは、以下のデータから明らかとなる。
グレーの線が企業の貯蓄率
赤の線が政府支出
色のついた部分は2つの合計
色のついた部分がマイナス側に振れているときは、企業と政府を全体で見たときにお金を借りている量が多い(つまりお金が生み出されている)状態になる。逆にプラス側に振れていると、お金を返している(お金が消失している)状態となる。バブル前後(1990年あたり)までは順調に(GDP比5%くらい)お金が生み出されていることがわかるが、2000年以降くらいからは、むしろプラス側に振れる(お金が消えている)こともあり、近年では全体としてお金が増えていない状況になっていることがわかる(日本国内でお金を奪い合っているだけの状態)。
一方で、経済成長しているアメリカのグラフは以下のようになっている。
データの見方は同じである。国が変わっただけ。
アメリカは、色のついた部分が基本的にずっとマイナス(時には10%を超える)であり、お金が常に増え続けている状態であることがわかる。特に政府支出(赤線)は大きなマイナスを維持している。企業が借金できていない時期でも、政府が借金を増やすことで全体でのマイナスを保てている。国がこの状態であれば、経済成長して当然というものだろう。
参考動画と要点のメモは以下の通り。
(メモ)財政赤字が足りない
- 国民全員の給料を上げることで景気が良くなった豊かになったということが実感できる。そのためには国内にあるお金の総額を増やさないといけない。
- お金は、誰かが借金をした時に新しく生まれてくる。逆に言うと、誰かが借金をしないと生まれない。
- 日本国内ではいろんな人が経済活動してるから、お金を借りている人もいれば返済してる人もいる。つまり、お金は色々なとこで生まれたり消えたりしている。それが日本国内で同時に起きてる。
- 政府がやらないといけないのは、その全体の状況を見てどちらかというと借りている人の方がちょっとだけ多いという状態を作ること。そうすれば、お金の総額はどんどん増えていくので日本国民全員を豊かにすることができる。
- 企業の貯蓄率と政府の貯蓄率のグラフでみる。グレーの線が企業の貯蓄率。赤の線が政府支出。0より下にある時がお金を借りている状態。借りているということは要するにお金を生み出しているということ。逆に、上にいる時お金を返済している状態。返済してるって事はお金を消滅させているということ。
- 色のついている部分が企業と政府の貯蓄率の合計。これがマイナスと言うことは企業と政府で足し算したときにお金が生まれてる状態。バブルが崩壊するまではすごい勢いでお金が生まれていた。だから無茶苦茶景気がいい。
- バブルが崩壊してから企業がお金を生み出すんじゃなくて返済する行動を取っている。それに伴ってこの色のついている部分はどんどん小さくなっていく。
- この20年くらいは上に行ったり下に行ったりしている。つまり国内にあるお金の総額は変わらない。
- 総額は変わらない中で一部の人が儲けようと思うと、他の人から奪って来ないと設けられない。だから一部のお金儲けがうまい人のところにお金が集まり、お金儲けが上手じゃない人は奪われる側になる。だから格差が拡大する。
- 政府がやらなきゃいけないのはこの色のついている部分を安定的にマイナスにすること。だから今は赤字の拡大が必要。政府は財政赤字を拡大することによって下に持ってくることができる。せめて5%ぐらいところで安定的に推移させたい。この状態で今消費税上げたりしたらもっと悪くなる。
- 政府がやらなきゃいけないのはプライマリーバランスの赤字の拡大。
- アメリカこの色のついている部分が下にいきっぱなし。
- 企業は借金返済してる時もあるが、基本的には政府はずっと財政赤字を拡大している。
その他の参考動画